ABITの悲劇 〜KA7コンデンサ破裂の様子〜 |
○はじめに
これまで、いくつかのマザーを扱う中で、決してABIT社のものは悪い作りのものとは思っていません。むしろ、しっかりした飽きの来ないデザインと、オーバークロックに強いスペックを持つ技術力の高さから、好感を持っているメーカーです。 ここでは、ジャンク道楽という楽しみの中で、たまたま出会った、コンデンサ破裂マザーの様子をご紹介し、このような状態になったらマザーの寿命であるとの紹介で、記事にしたいと思っています。
※このページへの直接リンクが多いので、体裁と内容に手を加えました。コンデンサについての記事を参照の方は本ページが参考になるかと思います。念のため、本サイトはフレームを使用したサイトになっています。トップページはこちら(新しいウィンドウで開きます。)となっていますので、よかったら他のページも併せてご覧ください。(05/09/18追記)
○ABIT社製 KA7について
短命だったスロットA用マザーの中で、ABIT社製でもスロットA用マザーはこのKA7とKA7−100しかありません。スロットAの稀少性も面白いのですが、逆にジャンク的には比較的入手しやすいマザーとも言えます。しかも、マザー、CPUともに安価に入� ��することができ、長い歴史のあるソケット7、ソケットAの狭間に位置する、短命なソケットAの歴史を垣間見るためにも、このようなマザーはとりあえず1枚所有しておきたい逸品です。
CPU Zipディスクを使用してハードドライブ上のより多くのスペースを確保する方法 | Supports AMD Athlon 200MHz FSB Processors Does not support .18 architecture (AMD Thunderbird CPU) |
Chipset | VIA VT8371(KX133) /VIA 686A |
Memory | Four 168-pin DIMM sockets support up to 2 GB PC100/PC133 SDRAM module |
Multi I/O | On board Bus Master IDE Ports supporting UDMA 33/66 |
Miscellaneous | 1 AGP slot, 6 PCI slots and 1 ISA slots |
○ABIT社製マザーの悲劇
今となっては昔の話ですが、一時期のABIT社製マザーはコンデンサによる故障が発生しました。先日ご紹介させていただいた、SH6もコンデンサの不都合を抱えていましたので、私は力量ある個人にお願いして交換、修理していただきました。この件についてのメーカーのアナウンスはこちらです。(リンク切れ確認)
このABIT社による、その対応、対策は決して不誠実なものではないとの印象を受けます。設計による不具合は、多くのユーザーの信頼を失いかねませんが、大切なのはその後の姿勢だと私も思っています。トラブルの発生したマザーが未だ手つかずに稼働していることもないとは言えませんので、もう少し、サポートが長くてもよいとは思 いますが、今ではこうしたマザーを所有することの方がジャンク道楽的には貴重とも言えます。
この中では、
「弊社製マザーボード旧モデルにおきまして、コンデンサーの一部ロットの中に耐性が異なるコンデンサーが混在していたためと思われます。この為、コンデンサーの液漏や破裂がございました。」
との記述が見られます。
では、実際どのような事態になるのか・・・。また、ジャンク道楽的にはマザー選別の判断基準のこともありますので、実際の現象を掲載し、参考資料としたいと思います。その前に、コンデンサに異常がある場合、PCがどのようになるかについて、簡単に。
○コンデンサ異常時のPCの症状
@リセットがかかった状態になり、何もしていないのにPCが再起動する。
(BIOSまでの時もあれば、Windowsの起動中などタイミングは様々です。)
A起動しない。
(電源は入っており、CPUファンなどは回っているが、PCが起動しないなど。)
B青い画面の中に細かな英文の文字が出で、PCが動かなくなる。
(� ��ンデンサの異常でWindows2000や、WindowsXPではこのような画面が出てくることもあると思います。)
Iポッドをオフにする方法
B一見正常。
(実は症状が出ずとも、コンデンサの異常が始まっていることがあります。高温になるような排熱・冷却不足のPCや、高温になる悪所での連続使用など、原因は様々です。)
などなど・・・。心配な方はケースの蓋を開けて、中をよく見てみてください。(メーカー製のPCの場合は説明書に開け方が示してあります。)
残念ながら、以下の記事のようなコンデンサの症状がみられたら、大切なデータを早急にバックアップして、PCの使用を控えてください。その上で、PCをどのようにしたらよいかを、あわてずに考えましょう。
○正常なコンデンサ
まず、正常なコンデンサの状態を見てお� �てください。今回トラブルがあったKA7の同じマザー上でも場所や、コンデンサの容量の違うものには、きれいなものも見られます。この正常なコンデンサと比べると、以下の異常なコンデンサのトラブルの様子がわかっていただけるかと思います。基本的には、コンデンサは上部が平らな円柱状となっています。
○コンデンサ異常の例
その1 「膨張」
CPUスロット付近のコンデンサは膨張です。まだ、破裂までにはいっていません。コンデンサの頭の部分を見てください。平らな上部の正常なコンデンサと違って、丸く、ドーム型にふくらんでいることがおわかりかと思います。
コンデンサの異常の初期段階はこのような状態で見られ、多くはこの状態で発見さ� ��るのではないでしょうか。PCの動作が不安定など、異常を感じたらマザーボードを見てください。このようなコンデンサが見られたら、PCの動作の異常はこのようなコンデンサが原因のひとつと考えられます。
実際、2000年あたりのマザーボードではこうした事例が多く見られ、自作PC界では話題となりました。これは、コンデンサそのものの品質に問題があったことが一因でした。
しかし、コンデンサの異常の原因には、コンデンサの品質以外にも、マザーボードの設計上の問題として、CPUからの高温の排熱がコンデンサを加熱する、または電圧異常などがあります。また、ご家庭でも風通しのよくない場所での使用、高温・多湿の場所、さらに長時間の連続使用など、PCの使用状態などによっても発生します。よく、� ��どうしてこうなったの?」と尋ねられることがありますが、原因が複合的なこともあり、これだと特定することが困難なこともあります。
今回は2000年当時に発売されたABIT社のマザーボードのコンデンサ問題として取り上げていますが、その後に発売された他社のマザーボードやメーカー製PCにも、先のような原因で、こうしたコンデンサの異常が見られることがあります。参考までに、富士通製PCでのコンデンサ異常については本サイトでも紹介しています。(「サンデーご近所PCサポートセンター その2 FMV DESKPOWER CE8/110LTのOSリカバリー」を参照してください。(このPCは先日、HDDの交換と一緒に私がコンデンサを交換しておきました。)
コンピュータ上でt2250を何
※コンデンサの関連記事として、
DESKWORKの合間のDESKPOWER 「夏休みの宿題〜富士通社製マシン修復〜」その2
DESKWORKの合間のDESKPOWER 「夏休みの宿題〜富士通社製マシン修復〜」その3
も、併せて、是非お読みください。(06/08/29追記)
さて、では、このまま使い続けるとコンデンサはどうなるのか・・・。以下に掲載する悲劇のコンデンサを見てください。
その2 「液漏れ」
マザーの基盤上の液漏れのひどい例です。(かなりひどいですよね。)コンデンサの下側から液漏れを起こしています。このマザーの液漏れがよく見られたのは、このようにメ モリスロット付近のものです。液漏れのために、マザーボードのパターンが腐食しているような印象さえあります。
その3 「破裂」
コンデンサ上部の切れ込みからの破裂と液漏れがみられます。破裂の様子がよくわかりますね。いずれも2200μFのコンデンサの被害が中心です。このような状態になる前には、おそらく、何らかの破裂音がしているはずです。PCからいつもと違う異音が聞こえてきたら、このような状態になっていないか確かめてみてください。
○まとめ
もちろん、このマザーは動きません。コンデンサが決定的な原因かは特定していませんが、こうなると、仮に使えても、気分のいいものではないですよね。では、このようなコンデンサのトラブルが発生した 場合、どのようにしたらよいか・・・。是非ジャンク道楽的パソコンライフでは追究していきたいと思っています。
トラブルが起こったらどのようにしたらよいか・・・。
コンデンサの異常を回復するには、基本的にはコンデンサを新しいものに交換します。半田ごての技術に自信がある方は自分でトライしてみてください。しかし、新品でこれらPCに用いられているコンデンサを入手することが容易ではないこと、仮にコンデンサが入手できたとしても、その部品代や労力を考えると、性能的に、この時期のマザーを使い続けるメリットや稀少品など、マザーボードのそのものの価値が感じられるかどうかが、修理しようとする上での考慮すべき問題となってきます。
もちろん、技術のない一般の方など� �、メーカーなどに修理を依頼するということになりますが、それなりの修理代は覚悟する必要があります。(修理の見積をとってみて、びっくり!!しないでくださいね。そういうものです。)おそらく、それなりに年数の経ったPCの場合が多いので、どうしても、そのマザーボードやPCを使い続けたいという場合にのみ、修理を依頼するとよいのではないでしょうか。
自作の場合はマザーのみを交換したり、それに伴って最小限のパーツ交換費用で済みますが、それに比べるとメーカー製PCは一式の買い換えとなり、比較的高額になってしまいます。しかし、修理するよりはいっそ、最新機種に買い換えた方が精神衛生上はよろしいかと思います。
ただし、メーカー製のPCでも、大切なデータのバックアップは自分で行う必要がありますし、いつPCが動かなくなるかわからないので、コンデンサのトラブルと感じたらすぐに、データをCD-Rやその他のメディアに保存しておきましょう。また、代わりのPCがあればそちらを使用してくださいね。
私も他のマザーの件でコンデンサなどを扱っている大須のパーツ屋でコンデンサを入手しようとしてパーツ屋のおじさんにマザーを見せながら、コンデンサを注文しようとしました。しかし、そこで聞いたパーツ屋のおじさんの一言が今でも耳に残っています。
「コンデンサは普通に使っていたら、よほどのことがないと壊れたりしないんだ。結局、設計が悪いんだな、これは。直す のはいいけど、また同じトラブルが起こるよ・・・。」
結局は、他のマザーのコンデンサを移植したのですが、確かに労力がいります。
まあ、PCには様々な消耗品的なパーツが、もともと用いられています。PCというのはそもそも永久的に使用できる訳でもなく、意外とPCという電気製品の寿命は短いもの、と割り切って考える必要もありますよね。さらに、先日はNHKのニュースでも、この夏の暑さでPCのトラブルが多いということが話題として取り上げられていました。この映像から、PCのコンデンサの問題が身近な社会現象にもなっていると感じさせられました。
ただ、ジャンク道楽的には、他のマザーから同容量のコンデンサを移植したりするなどの楽しみ方も持ち合わせている、これらコンデンサ異常のマザー� ��自己責任で使う分には、楽しませてくれることもありますね。コンデンサ異常の程度によっては私でも交換していますから、ご質問や修理依頼などがありましたら、メールにておっしゃってくださいね。(05/09/18追記)
とりあえず、今回は、参考ということで・・・。
○付録 ネット上の掲示板などから集めた、コンデンサトラブルが危惧されるABIT社製マザー
特に「JACKCON」(SH6)「JPCON」(KA7)と書かれたコンデンサを搭載しているマザーでは、トラブル発生を私が確認しています。それぞれ2000年あたりに発売されたマザー群でしょう。
○Intel CPU
・BF6(Slot1・BX)
・BP6(Socket 370 Dual・BX)
・BX133(370・BX)
・BX133−RAID(370・BX)
・SH6(Slot1・i815E)
・SE6(370・i815E)
・SA6R(370・815EP)
○AMD CPU
・KA7(SlotA・KX133)
・KT7(SoketA・KT133)
・KT7A(SoketA・KT133A)
・KR7A−RAID(SoketA・KT133A)
中古、ジャンクのものには、上記マザーの修理上がりのものが見られるかと思います。こちらのコンデンサなどの情報もあれば是非お寄せください。ジャンク道楽仲間のために、まとめておきたいと思います。
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